どんなに調理法を極めても、素材そのものの品質が落ちていては満足のいく仕上がりにはなりません。栗は収穫された瞬間から水分が抜けやすく、常温に放置すると急速に風味が損なわれる極めてデリケートな果実です。
店頭で確認すべき新鮮な栗の選び方には3つの明確な基準が存在します。第1に「皮にピンとした艶と光沢があり、黒ずんでいないこと」、第2に「指で持った際にずっしりとした重みがあること」、第3に「指で押しても皮がペコペコとへこまないこと」です。乾燥して軽くなった栗やすき間がある栗は、内部が収縮している証拠です。
また、家庭で最も警戒すべき「虫食い」の選別のカギは比重測定にあります。ボウルにたっぷりの水を張り栗を入れた際、水に浮く栗は内部が虫に食われて空洞化しているか、過度に乾燥しているサインです。底にしっかり沈んだ栗だけを選び取ることで、調理後の「割ってみたら中が真っ黒だった」という悲劇を未然に防ぐことができます。