結婚前、NHKの看板スポーツ番組『サンデースポーツ』でリポーターを務めていた畠山愛理のキャリアは、現在の夫婦生活において極めて大きな財産となっている。多種多様なトップアスリートへの取材を通じて培った「勝負師の心理」に対する解像度の高さは、夫がスランプに陥った際の接し方にも色濃く反映されている。
野球選手のバイオリズムは繊細だ。打撃フォームのわずかな狂い、打席での迷い、メディアからの容赦ない批判。そうしたプレッシャーに対し、彼女は決して安易な励ましや技術論を口にしない。ただ静かに話を聞き、自宅を最も心が休まるシェルターとして整える。取材者として数々の栄光と挫折を目撃してきたからこそできる、絶妙な距離感の保ち方である。