現在の二次創作シーンにおいて、最も顕著な変化はその「主人公」の設定にある。かつてはヒロインの牧野つくしと、道明寺司や花沢類といった「F4」との恋愛の行方を描くものが主流だった。しかし、現在のトレンドは少し違う。
今、圧倒的な支持を集めているのは「モブキャラクター」や「オリジナル主人公」を投影したストーリーだ。例えば、英徳学園の一般生徒Aの視点からF4の暴挙を冷ややかに見つめる話や、原作の悪役令嬢ポジションに転生してしまい、破滅フラグを回避するために奔走する話など、いわゆる「転生・トリップもの」の文脈が深く流れ込んでいる。読者はもはや、つくしのポジションを疑似体験するだけでは満足しない。一歩引いた視点から、あの強烈な世界観を「観察」し、自らの手で運命を変えるカタルシスを求めているのだ。