リュウジが生み出した数千に及ぶメニューの中でも、日本の家庭料理のスタンダードを塗り替えたのが「至高のレシピ」と「虚無レシピ」という対極に位置する2大シリーズです。
「至高のレシピ」は、ハンバーグ、唐揚げ、カレー、炒飯といった定番料理を、プロの技法と化学的根拠に基づいて再構築したフラッグシップです。例えば「至高の唐揚げ」では、ニンニクや生姜のすりおろし方にまでこだわり、肉の脱水と保水のバランスを極限まで計算。「家庭で作れる最高峰の味」を提示し、レシピ本大賞を受賞するなど金字塔を打ち立てました。
一方で、現代の多忙な生活者に熱狂的に支持されたのが「虚無レシピ」です。「包丁を使いたくない」「まな板を洗う気力もない」「冷蔵庫に何もない」という極限状態の疲労に寄り添い、卵とご飯、調味料だけでレンジ調理するようなミニマリズム料理を確立。完璧主義に縛られがちな「自炊」のハードルを極限まで下げ、料理を義務から救済した功績は計り知れません。