症状が続く場合、病院は何科を受診すべきかという点について、第一選択は「心療内科」または「精神科」です。身体的なふらつきやめまいが主である場合は、まず一般内科や耳鼻科、脳神経外科で器質的疾患(脳や内耳の異常)を否定しておくことも大切です。
医療機関で行われる具体的な離人症の治し方と回復アプローチは以下の3本柱で構成されます。
1. 身体感覚を呼び戻す「グラウンディング技術」
頭の中に閉じこもった意識を「いま、ここ」の身体感覚に引き戻す技法です。足の裏が床に接地している感覚に集中する、冷たい水で顔を洗う、強いミントタブレットを口に含む、周囲にある「青いもの」を5つ数えるなど、五感へ直接刺激を与えるアプローチが有効です。
2. 薬物療法および漢方薬の活用
離人症そのものを一撃で消し去る特効薬は存在しませんが、背景にある強い不安やうつ症状を和らげるためにSSRI(抗うつ薬)や抗不安薬が処方されることがあります。また、東洋医学的な観点から漢方薬による体質改善も広く用いられています。
- 半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう):喉のつかえ感や不安感、自律神経の乱れ(気滞)に適する。
- 柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう):精神的な緊張が高く、不眠やイライラを伴う場合に用いられる。
- 抑肝散(よくかんさん):神経の高ぶりや筋肉の緊張を緩和し、過覚醒状態を落ち着かせる。
3. 認知行動療法と環境調整
「感情を麻痺させなければ耐えられなかった原因」である過重労働や人間関係のストレス源を特定し、物理的な距離を置く環境調整が最優先されます。その上で、「白黒思考」や過度な自己批判を緩める心理カウンセリングを行っていきます。