ネット上の掲示板やSNSでは、「あの強豪校に進学すれば勝てる」「公立の通常部活では中体連上位は不可能」といった極端な言説が散見されます。しかし、現場の綿密な調査を行っていくと、それらの言説には多くの誤解や盲点が含まれていることが分かります。
第1の誤解は、「強豪校の看板だけで勝てる」という幻想です。実際には、強豪と呼ばれる学校であっても、レギュラーとして県大会や関東大会のコートに立てるのはごく一握りに過ぎません。部員数が40〜50名を超えるマンモス校では、コート面数の制限から1日のボール打ちがわずか数十分に限られるケースも珍しくありません。むしろ、部員数が適正でコートを広く使える中堅校の選手が、豊富な打球数によって急成長を遂げる事例は毎年数多く存在します。
第2の盲点は、「サーフェス(コート環境)への適応格差」です。県大会の舞台となる栃木県総合運動公園テニスコートはオムニコートですが、普段の学校練習環境が土(クレー)コートの学校は依然として県内に多く残っています。土コート特有のイレギュラーや滑るフットワークに慣れている選手が、オムニコートの規則的なバウンドと強いグリップ力に対応できず、本来の実力を発揮できないまま初戦で姿を消すケースが後を絶ちません。
勝敗を分ける真の要因は、学校の知名度ではなく、「日々の練習における有効打球数の確保」と「県大会本番と同じサーフェスでの練習頻度」という極めて物理的な環境条件にあるのです。