フリースタイルスキー・モーグルにおける里谷多英の残した実績は、日本スポーツ界において突出した価値を持ちます。北海道札幌市出身の彼女は、名門・北星学園女子高校から北海道東海大学へと進学し、10代前半からナショナルチームの一角として頭角を現しました。
1994年リレハンメル五輪の11位に始まり、1998年長野五輪では猛吹雪の飯綱高原スキー場を力強く滑り抜け、21歳にして日本女子冬季五輪史上初の金メダルに輝きました。この快挙は、当時の日本列島に空前のモーグルブームを巻き起こす引き金となりました。
里谷の真骨頂は、一度の栄冠で終わらなかった点にあります。続く2002年のソルトレークシティ五輪では、プレッシャーと過酷なコース条件を跳ね除けて銅メダルを獲得。日本の女子冬季選手として史上初の「2大会連続メダル獲得」という大偉業を達成しました。大舞台になればなるほど研ぎ澄まされる勝負度胸とスピードは、世界屈指の評価を受けていました。