業者に依頼する場合でも、荷主側が前日までに完了させておかなければ運搬を拒絶される重要工程が「水抜き」です。水抜きを怠ると、運搬中のトラック内で汚水が漏れて他の荷物を汚染したり、電子基板にかかって家電を破壊したりします。
1. 冷蔵庫の「水抜き」と「霜取り」
運搬の24時間前までに食品をすべて取り出し、中を空にします。自動製氷機能が付いている機種は給水タンクの水を捨て、製氷皿に残った氷も破棄して製氷機能を停止させます。
前夜にはコンセントを抜き、ドアを開放して庫内の霜を溶かします。本体背面下部または底面にある「蒸発皿(ドレンパン)」に溜まった水を完全に捨て、庫内の水分を雑巾で拭き取ります。これを忘れて当日を迎えると、トラックの荷台でヘドロ状の汚水が漏れ出し、業者から追加の清掃費用を請求される原因になります。
2. 洗濯機の「完全水抜き」と「取り外し」
全自動洗濯機やドラム式洗濯機の内部には、外見からは見えないトラップ水が数十ミリリットル〜数リットル残留しています。
- 給水ホースの水抜き:水道の蛇口を固く締め、電源を入れて「スタート」ボタンを押し、洗濯運転を1分間回します。これにより給水ホース内の圧力が抜け、蛇口から外した際の水の噴射を防げます。
- 排水ホースの水抜き:次に電源を切り、再度電源を入れて「脱水のみ」を選択し、最短時間(1分〜3分)で脱水運転を行います。ドラムや槽内の底に溜まった残水がすべて排水されます。
- 糸くずフィルターの清掃:本体下部の糸くずフィルター(排水フィルター)を緩めて外し、残水をトレイに受け止めて捨てます。
- ドラム式特有の「輸送用固定ボルト」:ドラム式洗濯機を運ぶ際、絶対に忘れてはならないのが購入時に付属していた「輸送用固定ボルト(固定金具)」の装着です。ドラムはサスペンションで宙吊りになっているため、ボルトで固定せずにトラックの振動を受けると、内部の軸が歪んで二度と回転しなくなります。ボルトを紛失した場合は、メーカーから取り寄せるか、固定なし運搬を理由に補償対象外とされるリスクを覚悟しなければなりません。