かつて日本のテレビ放送業は、翌朝に判明する「世帯視聴率」の数字だけで番組の成否を断じていた。萩本欽一が牽引した初期の熱狂から平成の黄金期に至るまで、30%前後の驚異的な数字を叩き出すことが最大の至上命題だった時代もある。
しかし、メディアの生態系は完全に書き換わった。いま制作現場が注視しているのは、どれだけ視聴者の心に刺さり、能動的な行動を生み出したかを示すコア視聴率やタイムシフト視聴率、そしてSNS上のエンゲージメントだ。数字至上主義から共感の深度へ。視聴率の裏側に潜む視聴者の「熱量」こそが、現在のドラマ評価を決定づける決定打となっている。