なぜ人によって涙袋の出方にこれほど大きな差があるのでしょうか。医学的な観点から涙袋がない理由を紐解くと、主に3つの解剖学的要素が関係しています。
そもそも涙袋の正体は、目の周りを取り囲むドーナツ状の筋肉である眼輪筋(がんりんきん)の一部です。笑ったときにこの筋肉が収縮して前に盛り上がることで涙袋が形成されます。したがって、生まれつき涙袋がない原因の筆頭は、下まぶた直下の眼輪筋の厚みや緊張度が控えめであるという先天的特徴です。
2つ目の要素は「眼球の突出度と骨格のバランス」です。眼球が骨の奥に収まっている、いわゆる「奥目」タイプや、頬骨(中顔面)の位置が高い骨格の場合、皮膚や筋肉が前方に押し出されにくく、涙袋がフラットになりやすい傾向があります。3つ目は「目の下の眼窩脂肪の量」です。眼窩脂肪が多すぎて前方に突出していると、筋肉の輪郭が脂肪で押し流されて平坦に見えたり、逆に影になってクマに見えたりすることがあります。
このように、涙袋の有無は純粋な生体力学・骨格の違いによるものであり、個人の優劣を示す指標では決してありません。