かつて大規模に打ち出された英語社内公用語化プロジェクトは、日本企業のグローバル化における象徴的な事例として語り継がれている。この取り組みの根幹を支えるのが、一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会が実施するTOEIC L&R Testだ。社内ではスコア取得が義務付けられており、目標未達成者に対しては定期的な受験が課される。
会社側もただ突き放すわけではない。新入社員やスコア未達者向けに、多角的な社内語学研修プログラムが用意されている。始業前の早朝レッスンや、オンライン英会話の受講費用補助、専任の語学コーチによる個別カウンセリングなど、サポート体制自体は非常に手厚い。
しかし、こうした研修プログラムにも限界は存在する。どれほど優れたカリキュラムであっても、日々の多忙な業務と並行しながら自発的に学習時間を捻出できなければ、スコアの伸び悩みから抜け出せない。特にペーパーテストの解法テクニックと実務でのスピーキング力は別物であり、「TOEIC 800点は超えたものの、ネイティブとのミーティングでは言葉が出てこない」という二重の苦悩に直面する社員も少なくないのだ。