ウナギ市場を巡る情勢は、今まさに大きな変革期を迎えている。農林水産省が公表する最新のシラスウナギ漁獲量データや流通統計を見ても分かる通り、近年の取引価格は乱高下を繰り返してきた。天然資源の保護政策が進む一方で、国内の養鰻農家で構成される日本養鰻漁業協同組合連合会は、品質管理の徹底とブランド化を強く推進している。
消費者にとって最も気になるのが「国産」と「輸入」の違いだ。国産のニホンウナギは、皮が柔らかく身にきめ細やかな脂が乗っており、口の中でふんわりと解ける食感が最大の特徴とされる。一方、中国や台湾などから輸入されるウナギは、大ぶりで肉厚、力強い食べ応えが持ち味だ。水産業の流通革新により、現在では輸入物でも極めて高品質な製品が手に入るようになったが、炭火でじっくりと燻し上げる老舗の蒲焼においては、やはり国産特有の繊細な風味覚が珍重される傾向が強い。