中世の複雑な政治劇や合議制のドロドロとした駆け引きを鮮烈に描いた作品として、日本放送協会が制作・放送した大河ドラマ『鎌倉殿の13人』は記憶に新しい。この『鎌倉殿の13人』において、泥臭い戦場から一歩引き、クールに書類を精査しながら権力の天秤を揺らす大江広元の姿は、視聴者に強烈な印象を残した。
武士たちの感情論や血生臭い粛清劇の裏側で、いかに文書行政が政権の命運を握っていたか。歴史政治ドラマというジャンルが持つ真骨頂は、剣の強さだけでなく「行政機構の設計思想」こそが時代を動かしたという史実を浮き彫りにした点にある。ドラマ中で描かれた幕府初期の政治対立は、最新の史料研究の成果とも見事に合致しており、今なお歴史ファンの間で語り継がれる。