かつてここには、本物の川が流れていました。1964年の東京オリンピックに向けた都市整備の中で、渋谷川はコンクリートの蓋で覆われ、暗渠化されます。水面は見えなくなりましたが、人々の営みは途絶えませんでした。むしろ、川の緩やかなカーブがそのまま道となり、車が入り込めない歩行者専用の空間として生まれ変わったのです。
1980年代から90年代にかけて、この場所は「裏原宿」カルチャーの揺りかごとなりました。メインストリートの喧騒を嫌ったクリエイターたちが集まり、独自のファッションや音楽を発信し始めたのです。水が流れていた場所が、いつしか感性の流れる場所へと姿を変えていきました。