『PONPONPON』の爆発的な拡散を語る上で外せないのが、YouTube黎明期におけるバイラル現象です。映像ディレクターの田向潤氏と、原宿の「6%DOKIDOKI」プロデューサーである増田セバスチャン氏(アートディレクション)のタッグが生み出したMVは、それまでのJ-POPの常識を根底から覆すものでした。
部屋の中に溢れかえる極彩色のトイ、目玉や内臓をモチーフにしたグロテスクとキュートが同居する空間、きゃりーの無表情に近い絶妙なダンス。この「カワイイの狂気」とも言える映像美は、ケイティ・ペリーやレディ・ガガといった世界的トップスターがSNSで絶賛したことで瞬く間に世界中へ拡散されました。
海外リスナーによるリアクション動画では、「意味はわからないが脳からアドレナリンが出る」「サイケデリックで中毒性が異常」といった声が相次ぎました。英語圏のファンコミュニティでは有志による「英語歌詞 和訳」の作成が活発化し、「PON」を「Heartbeat(鼓動)」や「Bursting joy(弾ける喜び)」と解釈するなど、言語の壁を越えた受容が進んだことも特筆すべき事実です。