キメセクがもたらす害毒は、精神や法的な破滅だけに留まらない。性感染症予防医療と公衆衛生の観点からも、極めて深刻な事態が進行している。
薬物の影響下では正常な判断力が完全に麻痺するため、コンドームを使用しない危険な性交渉(アナルセックスや乱交)が常態化する。その結果、梅毒や淋菌、B型・C型肝炎、そしてHIV(ヒト免疫不全ウイルス)の感染リスクが爆発的に跳ね上がる。
予防策としてPrEP(曝露前予防内服)を利用する動きもあるが、薬物摂取による嘔吐や服薬管理の破綻によって適切な効果が得られないケースも多い。さらに、注射器の使い回しによる局所の壊死や血管炎、脱水症状や心不全による突然死など、肉体への直接的なダメージは計り知れない。自覚症状がないまま感染症を無関係なパートナーへと媒介してしまう二次被害も深刻化している。