放送から年月が流れた今、2007年版『イケパラ』のキャスト陣を振り返ると、その豪華さには改めて息を呑む。単なる人気アイドルドラマではなく、後の日本エンターテインメント界を牽引することになる怪優・トップスターたちの育成所としての機能を果たしていたことがわかる。
佐野泉を演じた小栗旬は、その後NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で主演を務め国民的俳優の座を不動のものとしただけでなく、大手芸能事務所トライストーン・エンタテイメントの代表取締役社長に就任。自らの演技のみならず、日本のエンタメ業界全体の労働環境改善や次世代育成に注力するリーダーとして君臨している。
中津秀一役で大ブレイクを果たした生田斗真は、旧ジャニーズ事務所所属でありながらCDデビューを経ずに「俳優単体」として道を切り開いた稀有な先駆者となった。映画『土竜の唄』シリーズや数々の舞台で圧倒的な存在感を示し、2026年代以降は独立を経てフリーランス・新体制のもと、より先鋭的で多角的な表現活動を続けている。
第2寮長・難波南を色気たっぷりに演じた水嶋ヒロは、本作を機に『メイちゃんの執事』などで主演を張り一世を風靡。その後、小説家としての執筆活動や実業家、コンテンツプロデューサーへの転身を果たした。現在は二児の父として家族との時間を最優先に置きながら、独自の発信を続けている。
そして、当時まだキャリア初期の初々しさを残していた岡田将生は、関目京悟役を経て映画『告白』『悪人』『ドライブ・マイ・カー』などで世界的な評価を獲得。日本アカデミー賞の常連俳優となり、2026年の結婚報道を経て公私ともに深みを増した名優へと飛躍した。さらに、端役である明石総三郎役として出演していた鈴木亮平は、徹底した肉体改造と憑依的な役作りで『TOKYO MER〜走る緊急救命室〜』など数々の大ヒット作を牽引するトップランナーへと登りつめている。
その他にも、第3寮長・オスカー役で強烈な怪演を見せた姜暢雄、萱島役の山本裕典、野江役の五十嵐隼士など、個性派たちが放ったエネルギーは強烈であった。これほどの実力と個性が1つの学園に密集していたこと自体が、今となっては二度と再現できない「奇跡のキャスティング」と称される所以である。