仲代達矢の活動基盤であり、良質な舞台演劇を企画・制作し続けてきた「株式会社仕事」。そして、役者育成の最高峰として君臨してきた無名塾。時代の移り変わりとともに、劇団のあり方やマネジメント体制もまた、大きな転換期を迎えている。
後進へのバトンタッチは、すべての巨匠が直面する避けて通れない命題だ。仲代が築き上げた演劇哲学をいかに純度を保ったまま次世代へ残すか。株式会社仕事の関係者や無名塾の門下生たち、そして家族である奈緒がそれぞれの持ち場で知恵を絞り、支え合っている。形あるものは変わる。だが、仲代と宮崎恭子が灯した演劇への狂気にも似た純粋さは、血縁と芸脈の垣根を越えて確実に受け継がれている。