このシステムを立ち上げ、全国基準へと押し上げた中心人物が、元救命救急センター長の松本尚氏だ。学校法人日本医科大学に所属し、現場の最前線で数千もの命を救いながら、国の制度設計にも深く関与してきた。氏が情熱を注いだヘリコプター救急医療事業の推進は、日本の救命医療のタイムリミットを劇的に縮めたと評価されている。
「防ぎ得た死をゼロにする」という強固な意志は、現在も後進の医師たちに脈々と受け継がれている。単に患者を病院へ運ぶのではなく、医療そのものを現場へデリバリーする発想の転換。この哲学こそが、北総病院を救急医療のフロンティアたらしめている理由だ。