東京都世田谷区に住む山田家(仮名)は、3年前にL字型二階建てを新築した。「最大の決め手は中庭でした」と妻の真由美さんは振り返る。
敷地面積55坪という限られた条件下で、子供たちが安全に遊べる屋外空間を確保したかった。L字型にすることで、道路から見えない完全にプライベートな中庭が生まれた。洗濯物も人目を気にせず干せる。リビングから子供の様子を見守れる。
プライバシーの確保が、多くの採用者が挙げる第一のメリットだ。一方の棟を寝室やプライベートルームに、もう一方をパブリックスペースに配置することで、生活にメリハリが生まれる。在宅勤務が増えた現代において、仕事と生活を物理的に分離できる点は大きい。
採光と風通しの優位性
建築士の佐藤理恵氏によれば、L字型は「自然光の取り入れ方において圧倒的に有利」だという。2つの面から光が入るため、家の奥まで明るさが届く。また、風の通り道が複数できることで、夏場の自然換気効率が向上する。
実測データでは、同じ床面積の四角い家と比較して、L字型住宅は平均で照明使用時間が約20%短縮される。電気代の削減にもつながる環境配慮型の選択肢といえる。