この声優交代の裏には、声優界でも屈指の絆で結ばれていた川上とも子さんと桑島法子さんの特別な関係性がありました。
二人は1990年代から『少女革命ウテナ』や『機動戦艦ナデシコ』などの名作で共演を重ね、互いを愛称で呼び合う無二の親友でした。川上さんが突然の病に倒れた際、桑島さんは「とも蔵(川上さんの愛称)の帰る場所を守る」という強い覚悟を持って代役を引き受けたと伝えられています。
国民的人気キャラクターの代役を務めるプレッシャーは計り知れないものでしたが、桑島さんは川上さんの発声や息遣いを徹底的に研究。現場でもケロロ役の渡辺久美子さんをはじめとするキャスト陣が温かく迎え入れ、チーム全体で「川上さんの冬樹」を守り、桑島さんの冬樹を支え続けました。
川上さんの逝去後、桑島さんは役を正式に引き継いだ後も「川上とも子という声優が遺した魂」を大切に演じ続けており、この真摯な姿勢はファンの間でも語り継がれる美談となっています。