お腹に浮き出る線には、解剖学的に全く異なる3つのタイプが存在する。第一に、腹筋の中央と両脇に刻まれる縦の溝、いわゆる「アブライン」だ。これは左右の腹直筋が引き締まり、皮下脂肪が薄くなることで表面化する筋肉の隙間である。健康的で躍動的な印象を与えるため、若年層を中心に熱狂的な支持を集めている。
一方で、腹部の中央を上下に走る黒ずんだ筋「正中線」や、皮膚が引っ張られて裂けたように見える「妊娠線(肉割れ)」はメカニズムが異なる。日本皮膚科学会の知見によれば、正中線はもともと胎児期から存在する縫合線であり、ホルモンバランスの変化に伴ってメラニン色素が沈着することで顕在化する。また妊娠線は、急激な体型変化に真皮層のコラーゲン繊維が追いつかず断裂することで生じる。自らのラインが「筋肉構造」なのか「色素沈着」なのか「真皮断裂」なのかを見極めることが、正しい対策の第一歩となる。