KAT-TUNを語るうえで避けて通れないのが、赤西仁と亀梨和也による「仁亀(じんかめ)」コンビのエピソードです。2005年の日本テレビ系大ヒットドラマ『ごくせん 第2シリーズ』にツートップとして出演し、グループの知名度を一気に全国区へと押し上げた2人は、ジャニーズ史上最強のシンメトリー(左右対称のペア)と称されました。
しかしブレイクと比例するように、2人の間には深刻な不仲説が絶えず囁かれるようになります。ライブのMCで目を合わせない、歌唱時の距離感が不自然であるといったファンの観察記録がネット掲示板や週刊誌を賑わせました。当時の舞台裏を知る関係者の証言によると、両者の確執は単なる感情的な喧嘩ではなく、グループに対するアプローチと美学の決定的な相違に起因していました。
亀梨和也は、ファンや事務所が期待する「KAT-TUNの王道スタイル」をストイックに追求し、組織の看板を守るために妥協を許さないリーダーシップを発揮しました。一方の赤西仁は、海外の最先端ヒップホップやR&Bをいち早く取り入れ、既存のアイドルの枠組みを壊すことでグループを前進させようと試みていました。このプロ意識の衝突が、20代特有の尖ったプライドと相まって、一時期の冷え切った緊張感を生み出していたのは客観的事実といえます。
心理学における「鏡像効果(ミラーリング)」の逆で、互いに自分にない才能やカリスマ性を認めていたからこそ、容易には歩み寄れなかった2人。この張り詰めた緊張感こそが、当時のKAT-TUNが放っていた危うい色気と爆発的なエネルギーの源泉でもありました。