日本の出版史を振り返ると、『カムイ外伝』は「小学館」の学年誌や『ビッグコミック』などを発表の場とし、少年誌から大人向け劇画誌へとマンガ表現の領域を押し広げる原動力となった。社会的メッセージと劇画の重厚さは、当時の文藝界にも大きな影響を及ぼした。
時代が下り、「集英社」の『週刊ヤングジャンプ』で連載された『ゴールデンカムイ』は、従来の「時代劇」というジャンルの枠組みを木っ端微塵に打ち砕いた。歴史サスペンス、グルメ、ギャグ、冒険活劇を縦横無尽に横断するハイブリッドな語り口は、多様化する現代の読者ニーズに見事に合致し、マンガ表現の可能性を更新し続けている。