昆虫の成長過程には大きく分けて二つのパターンがある。完全変態と不完全変態だ。
セミは完全変態昆虫。卵から孵化した幼虫は地中で数年を過ごし、やがて地上に現れて劇的な変身を遂げる。土の中の生活から空を飛ぶ生活へ。まったく異なる姿に生まれ変わる。だからこそセミの抜け殻は「変身の証」として強烈な印象を残す。
一方、カマキリは不完全変態昆虫だ。孵化した瞬間から成虫と同じ体の構造を持つ。小さな鎌を持ち、二本の複眼で獲物を睨み、地上を歩き回る。生活スタイルを変えない。ただ脱皮を繰り返しながら、少しずつ体を大きくしていく。
この違いが抜け殻の「存在感」を左右する。セミの抜け殻は木の幹にしっかりと爪を食い込ませ、風雨に耐えて何週間も残る。対してカマキリの抜け殻は驚くほど薄く、透明で、わずかな風でも飛ばされてしまう。発見されにくいのも当然だ。
脱皮回数と成長段階
カマキリは種類によって多少異なるが、一般的に6回から7回の脱皮を経験する。孵化直後の体長はわずか数ミリ。最終的には7センチから10センチ程度まで成長する種が多い。
各脱皮の間隔は約1週間から2週間。気温や餌の量、個体の健康状態によって変動する。飼育下では餌を十分に与えることで成長速度を早めることも可能だが、自然界では獲物の入手状況に左右される。