物語の舞台となるのは、帝愛グループが極秘裏に建設を進める巨大地下シェルターです。多重債務者たちが過酷な肉体労働に従事するこの閉鎖空間で、E班の現場を取り仕切っていたのが大槻班長(本名:大槻太郎)でした。彼の正確な債務額や地下落ちした詳細な経緯は原作本編では多く語られていませんが、卓越した人心掌握術と計算高い世渡りの巧さによって、過酷な現場のリーダーである「班長」の地位を確立しました。
地下チンチロ編のあらすじと経緯を辿ると、大槻の支配構造は実にシステマチックです。地下労働者たちに支給される給料は、外の世界の日本円とは異なる独自通貨「ペリカ」。日当9,100ペリカのうち、借金返済や施設利用料が天引きされ、労働者の手元に残るのは月にわずか91,000ペリカ(日本円換算で約9,100円相当)にすぎません。大槻はこのわずかな給与を回収するため、帝愛公認で冷えた缶ビールや焼き鳥、ポテトチップスなどの嗜好品を高額で販売する物販ビジネスを展開していました。
過酷な重労働で精神的・肉体的に摩耗した労働者に対し、大槻は親身な顔をして近づき、まずは缶ビールを奢るなどして「快楽の味」を思い出させます。手持ちの資金が尽きると、法外な金利でペリカを前借りさせ、自らが親を務める賭場「地下チンチロ」へと誘い込みます。地下労働施設ペリカと豪遊の裏には、仲間を搾取し尽くして自分たち幹部グループだけが私腹を肥やす、冷酷無比なエコシステムが完成されていたのです。