鎧塚俊彦氏を語る上で、決して切っても切り離せないのが、2015年に永眠した妻・川島なお美さんの存在だ。代表作であるドラマ『失楽園』などで昭和・平成の芸能界を彩った大女優であり、ワインや美食を愛した彼女と鎧塚氏の結婚生活は、まさに互いを高め合う理想の夫婦像として多くの人々の記憶に残っている。
亡き妻が旅立ってから長い年月が経過した今も、鎧塚氏の心の中に彼女の存在が薄れることはない。命日や記念日には今なおSNSやメディアを通じて感謝の言葉を綴り、彼女が愛した庭園やワイナリーへの思いを作品づくりに昇華させている。取材に応じた長年の知人は「彼にとって川島さんは過去の人ではなく、今も作品づくりのインスピレーションであり続けている」と明かす。その揺るぎない絆こそが、彼が安易な再婚を選ばず、自らの人生と誠実に向き合い続ける最大の理由と言えるかもしれない。