映画『君の名は。』において、昼でも夜でもない世界の輪郭がぼやける黄昏時は、運命の二人が時空を超えて邂逅を果たす決定的な瞬間として描かれました。作中の方言で「かたわれ時」と呼ばれるこのマジックアワーを体感するために、立石公園を訪れる旅行者は後を絶ちません。
立石公園において、諏訪湖が息を呑むほどの黄金色に染まるシャッターチャンスは、日没時刻の約15分前から日没後20分間のわずか30分前後に凝縮されます。
太陽が対岸の山並みの向こうへゆっくりと沈み始めると、諏訪湖の湖面が一筋の眩いリフレクションを描き出します。やがて空はオレンジから茜色、マゼンタ、そして深いインディゴブルーへとグラデーションを変えていきます。太陽が完全に没した直後、諏訪市や下諏訪町、対岸の岡谷市の街明かりが一斉に灯り始め、湖を取り囲む光の輪が浮かび上がる瞬間は、まさに劇中で糸守町を見下ろした名シーンと完全にシンクロします。
立石公園は「信州サンセットポイント100選」や「新日本三大夜景・夜景100選」にも選定されている全国屈指の展望地です。日没後のブルーモーメントが過ぎ、完全に夜の静寂に包まれると、標高934メートルから見下ろす街の灯火が水面に揺らめき、昼間とは全く異なる静謐な感動を与えてくれます。