医療の歴史が動いた瞬間がある。アレクスビーRSVワクチン開発プロジェクトが結実し、高齢者向けRSV(呼吸器合胞体ウイルス)市場の扉をこじ開けたときだ。数十年間にわたり世界の製薬企業が挑んでは跳ね返されてきた難攻不落の領域。そこに風穴を開けた技術的ブレイクスルーの衝撃は計り知れない。
まるでNetflixのドキュメンタリーで描かれる緊迫のラボシーンのように、研究者たちは分子構造のわずかな歪みを補正する抗原デザインを追求し続けた。その成果である感染症予防ワクチン群は、公衆衛生の現場に劇的なインパクトを与え続けている。成人向けワクチン市場という広大なブルーオーシャンにおいて、先行者利益を独占する構図は当面揺らぎそうにない。