視覚的な演出効果も、今ツアーの大きな見どころの一つだ。国内外のトップクリエイター陣とタッグを組んだプロダクションは、もはや巨大な現代アートの展示空間に迷い込んだかのような錯覚を与える。巨大LEDグラフィックと照明が連動し、曲のテーマに合わせて目まぐるしく表情を変えていく。
特に圧巻だったのは、バラードセクションにおける光の使い分けだ。スポットライト一本で浮かび上がる彼女のシルエットが、削ぎ落とされた言葉の強さを際立たせる。ド派手な特効に頼るだけでなく、引き算の美学によって観客の視線を一瞬たりとも逸らさせない手腕が見事だった。