2026年春、現地で進められていたモニタリング調査の結果が公表され、関係者に大きな驚きを与えた。立ち入りが厳しく制限された「一般立ち入り制限区画」内部において、過去数十年間にわたり姿を消していた水生昆虫や湿地性植物の群落が怒涛の勢いで復活を遂げていたからだ。
独自に特別許可を得て取材班が立ち入った制限区画は、静寂そのものだった。人命防護や生態系保護を目的に設けられた柵の向こう側には、都市の喧騒を忘れさせるほど濃密な湿地空間が広がる。足元をかすめる水生昆虫の羽音、水面を跳ねる小魚の群れ。人の足跡を排した隔離措置こそが、都市における動植物の繁殖を支える強力なシェルターとなっていたのだ。