近年、DAZNやHuluなどの動画配信プラットフォームで配信されるスポーツドキュメンタリーは、ベンチ裏の緊迫した空気や指揮官の苦悩を生々しく描き出している。そこには、戦術の選択に苦悶し、選手の起用に頭を抱える阿部監督の赤裸々な姿が映し出されている。
カメラが捉える張り詰めた空気の先にあるもの。それは、孤独なリーダーが最後に戻るべき港としての家庭の存在だ。密着映像の中で見せるふとした安堵の表情や、遠征先から家族に連絡を入れるわずかな瞬間に、彼がどれほど妻や子供たちの存在に支えられているかが滲み出ている。
メディアがどれほど劇的なドラマとしてプロ野球を切り取ろうとも、阿部慎之助という男の根底にあるのは、家族のために戦い、家族と共に生きるという極めて人間的なモチベーションだ。ドキュメンタリーのレンズを通しても隠しきれないその温かな結びつきが、ファンを惹きつけてやまない。