コンピュータが扱うデータ処理において、階乗的複雑さで増大する計算量は悪夢そのものと言える。データサイエンス領域で使われる最適化アルゴリズムやパス探索において、愚直にすべての並び替えをチェックしようとすれば、現代の最高峰サーバーであっても一瞬でフリーズしてしまう。
ここで登場するのがアルゴリズム工学の英知だ。単に1から順に掛け算を実行するナイーブなループ処理では、乗算の回数だけでなく、計算結果の桁数が爆発的に増えることで1回あたりの乗算コスト自体が膨れ上がる。この「二重の重荷」を回避するため、数論を駆使した素因数分解法や分割統治法といった革新的なアプローチが次々と開発されている。