ふたりの歴史を語る上で避けて通れないのが、ファンの間で「氷河期」と呼ばれる2014年から2016年頃の期間です。当時、ステージ上以外ではほとんど会話を交わさず、雑誌の撮影でも視線を合わせない様子が目撃され、メディアでも「深刻な不仲」として取り沙汰されました。
しかし、後にふたりが対談やインタビューで振り返った証言によると、この氷河期の正体は個人的な嫌悪感ではなく、「プロとしての美学の衝突と自我の芽生え」でした。完璧な王子様像を貫こうとする中島健人と、嘘のない自然体なスタンスを重んじた菊池風磨。10代後半という多感な時期に、グループの進路や個人の立ち位置を巡って互いに譲れないプライドがぶつかり合っていたのが真相です。
この膠着状態に決定的な終止符を打ったのが、2016年8月25日に起きた通称「8.25事件」です。TOKYO DOME CITY HALLで開催されていた中島健人のソロコンサートに、先輩である山下智久の仲介をきっかけに菊池風磨が見学に訪れました。
ステージ上から菊池の姿を認めた中島が呼びかけ、ふたりが言葉を交わした瞬間、会場は割れんばかりの歓声と涙に包まれました。互いに意地を張り合っていたふたりが、相手の表現を認め、一歩歩み寄ったこの出来事は、単なる仲直りにとどまらず、プロフェッショナルとして背中を預け合う「最強のシンメ」へと脱皮する契機となったのです。