国内の映画館に溢れんばかりの観客を呼び戻し、週末の興行収入ランキングで破竹の勢いを見せた大ヒット作の原動力はどこにあるのか。最大の功労者は、圧倒的な映像美と圧倒的なリアリティで観客の心を鷲掴みにした邦画の世界的評価だ。大手プロダクションの東宝が手掛けた大型プロジェクトは、国内のみならず北米市場のボックスオフィスをも大いに揺さぶった。
特に特撮と歴史ドラマを高度に融合させた山崎貴監督の『ゴジラ-1.0』が打ち立てた金字塔は記憶に新しい。視覚効果(VFX)の限界を押し広げ、低予算ながらアカデミー賞視覚効果賞を受賞した快挙は、世界中の映画制作者に強烈なインパクトを与えた。ハリウッドの金脈に頼らずとも、独自のVFX技術と胸を打つ人間ドラマがあれば世界のトップに立てる証明となったのだ。これは単なる一作品の成功にとどまらず、邦画SF映画の価値観を根本から塗り替える出来事であった。
一方で、スタジオジブリの重鎮・宮崎駿監督による『君たちはどう生きるか』もまた、世界を言葉を失わせるほどの映像美で魅了した。手描きにこだわり抜いた究極のアニメーション映画は、米国アカデミー賞長編アニメーション賞を獲得。商業主義の波が押し寄せる現代において、作家性を極限まで高めた作品がグローバルで絶賛された意味は極めて大きい。