物語が始まって間もなく、生まれたばかりの雨と雪を残して命を落としてしまうお父さん。作中では明確なナレーションによる説明がないため、「なぜ死んだのか」と疑問を抱く視聴者は後を絶ちません。しかし、劇中のカットを丹念に追うと、その死因の真相がはっきりと浮かび上がってきます。
当時、花は雨を出産した直後で、心身ともに疲弊していました。そんな愛する妻のために、彼は滋養強壮に良いとされる「キジ(鳥)」を捕まえようと夜の街へ出かけます。狼の姿となって野生の本能のまま狩りを行った結果、足を滑らせて増水した用水路に転落し、溺死してしまったというのが有力な真相です。
実際、遺体が引き上げられた川の水面には、彼が咥えていたと思われるキジの羽が虚しく漂っていました。家族を想うあまりの行動が、皮肉にも最悪の事故を引き起こしてしまったという事実は、観客の胸を締め付けます。