本作の原作者は、後に『夜廻り猫』で手塚治虫文化賞を受賞することになる漫画家・深谷かほるです。集英社の女性漫画誌『YOU』に連載された原作漫画は、小学校という密室を舞台に、大人の目線からは見えにくい子どもの本音や家族の歪みを精緻な筆致で描いた傑作コミックでした。
ドラマ版と原作漫画の大きな相違点は、主人公・芳賀稲子のキャラクター設定とビジュアルアプローチにあります。原作のハガネは、どちらかといえば親しみやすい庶民派で小柄な女性として描かれていましたが、ドラマ版ではスタイリッシュでクールビューティーの代名詞だった吉瀬美智子を抜擢。このキャスティングが見事に化学反応を起こしました。
長身で凛とした吉瀬美智子が、美貌をかなぐり捨てて泥まみれになり、生徒のために怒鳴り、涙を流すギャップが「ハガネ」というあだ名の強靭さと脆さを鮮やかに際立たせました。また、要潤演じる塩田や、設楽統(バナナマン)演じる同僚教師・先崎徹など、周囲を固めるキャストとのテンポの良い掛け合いもドラマ版ならではの魅力として親しまれました。