ジョジョファンの間で「シリーズの頂点はどこか」という議論が交わされる際、必ず筆頭に挙げられるのが『第7部 スティール・ボール・ラン(SBR)』と『第3部 スターダストクルセイダース』です。
第3部は、それまでの波紋バトルから一転し、精神エネルギーの具現化である「スタンド(幽波紋)」を初導入した記念碑的作品です。主人公・空条承太郎の圧倒的なカリスマ性と、DIOという絶対悪を倒すために世界を横断するシンプルなロードムービー構造が、少年漫画としての興奮を極限まで高めました。今なおジョジョのパブリックイメージを形作る絶対的な基準点です。
一方、連載媒体を青年誌『ウルトラジャンプ』へ移行して描かれた第7部SBRは、批評家およびコアファンの間で「漫画表現の極致」と絶賛されています。下半身不随の元天才騎手ジョニィ・ジョースターが、謎の技術「回転」を操るジャイロ・ツェペリとの出会いを通じて精神的に再生していく姿は、従来の少年漫画の枠組み組みを超えた純文学的深みを備えています。
「マイナスからゼロへ」向かう人間の弱さと美しさを描き切ったSBRの評判は、連載完結から年月を経た現在も衰えるどころか、新たな読者を獲得するたびに評価を更新し続けています。