九州大学のキャンパス統合移転事業(六本松・箱崎キャンパス等の伊都への集約)が完了した現在も、大橋キャンパスは南区塩原の地に根を下ろしています。ネット上では「近いうちに伊都へ移るのでは」という憶測が定期的に浮上しますが、結論から言えば大橋キャンパスの伊都移転予定はありません。
この背景には、九州芸術工科大学との統合経緯と、芸術工学部が保有する特殊な研究設備環境が深く関係しています。2003年、単科大学として国際的評価の高かった九州芸術工科大学が九州大学と統合した際、教育研究の独自性と都心近接性を担保することが合意の前提にありました。さらに、大橋地区には無響室・残響室を備えた特殊音響実験棟をはじめ、大型の工作加工工房、製図・デザインスタジオなど、移設に天文学的なコストと年月を要する重装備施設が集中しています。
加えて、芸術やデザインの社会実装には、福岡市中心街のクリエイティブ産業や企業、市民との密接なコラボレーションが不可欠です。西鉄天神大牟田線の特急停車駅である大橋駅から至近という都市型立地そのものが、研究教育の競争力として明確に位置づけられています。