トラブルの根底にあるのは、授与する側と受ける側の致命的な価値観のズレだ。参拝客の多くは「対価としてサービスを買っている顧客」の意識で並ぶ。一方、神社や寺院にとって御朱印は売買する商品ではなく、祈りを捧げた証として授ける「授与品」である。
「3時間並んだのに文字が下手すぎる」「対応した神職の態度が生返事で不快だった」といった参拝者側の不満。その裏返しとして、「理由もなく書き直せと要求された」「記帳中にスマホで無断撮影された」という寺社側の悲鳴がある。お客様気取りの参拝者と、押し寄せる人波に忙殺され余裕を失った現場。双方の感情が対立の火種となっている。