閉鎖病棟に入院した後のゴールは、症状の安定と円滑な在宅・社会復帰です。退院の可否は、以下の具体的な条件を総合的に評価して判断されます。
・幻覚、妄想、興奮などの急性期精神症状が十分に鎮静化しているか
・自傷行為や衝動的な行動のリスクが低下しているか
・服薬の重要性を理解し、退院後も計画通りに内服が継続できる見込みがあるか
・退院後の受け入れ先(自宅、グループホーム等)や通院・支援体制が整っているか
近年では入院期間の短縮化と地域移行支援が医療計画の柱となっており、漫然とした長期入院を防ぐ仕組みが強化されています。医療保護入院者に対しては「退院後生活環境相談員」が選任され、主治医、看護師、精神保健福祉士(PSW)、公認心理師らがチームを組んで入院早期から退院調整を進めます。
さらに、法改正により導入された「入院者訪問支援事業」をはじめとする権利擁護の仕組みにより、外部の研修を受けた専門員が患者の希望に応じて面会し、本人の意向を傾聴しながら適切な権利行使をサポートする体制が整備されています。