私たちの体は、ウイルスや細菌といった外敵が侵入すると、免疫細胞が「サイトカイン」と呼ばれる物質を放出して脳の視床下部に異変を伝える。これを受けた脳は、ウイルスの増殖を抑えるために体温の設定温度(セットポイント)を一気に39度〜40度付近まで引き上げる指令を出す。
しかし、実際の体温はまだ平熱のままだ。この「設定温度」と「実際の体温」の間に生じる急激なギャップこそが、激しい寒気の原因となる。脳は体を温めるために、筋肉を激しく収縮させて熱を作り出そうとする。これが、本人の意思では止められない「戦慄(せんりつ)」の正体だ。皮膚の血管を収縮させて熱が逃げるのを防ぐため、手足は氷のように冷たくなり、顔色は青ざめる。