陸上競技の世界で「100マイル」といえば、ウルトラトレイル(山岳マラソン)の最高峰ロードを意味する。キロメートルに直すと約160キロ。これは東京から静岡県の中部にまで達する果てしない距離だ。
日本国内でも「FUJI(旧UTMF)」をはじめとする100マイルレースが定着し、抽選倍率が跳ね上がるほどの人気を博している。なぜ人は、丸一日以上も寝ずに山の中を走り続けるのか。完走した者にしか見えない景色、そして自己の限界を打ち破った瞬間の脳内麻薬的な達成感が、多くの市民ランナーをこの「160キロの旅」へと駆り立てている。