射撃場や航空機の整備現場など、極限の爆音環境で使われる業界公認の裏ワザがある。それが耳栓とイヤーマフを同時に使う「二重装着(デュアルプロテクション)」だ。
単純計算で「30dB + 30dB = 60dB」の減音になるわけではない。音のデシベル計算は対数であるため、物理的な減音効果は高い方のNRR値に対して「プラス5〜10dB程度の底上げ」となる。しかし、この数デシベルの差が生み出す体感は凄まじい。人の話し声の周波数帯域から空調の重低音までが削ぎ落とされ、視界の景色が無音映画のように錯覚するほどの完全な静寂が訪れる。
ただし、注意点もある。自室の警報音や目覚まし時計のアラームすら聞き逃すリスクが高まる点だ。また、血流の拍動音が耳元で大きく反響するため、人によっては閉塞感による圧迫ストレスを感じることもある。絶対に邪魔されたくない短時間の超集中作業に限って導入するのが賢明だ。