ネット上の掲示板やSNSでは、「境界性人格障害の女は関わると破滅する」「単なる性格の悪さやわがまま」といった偏見が根強く残っています。しかし、近年の脳科学研究は、BPD患者の扁桃体(恐怖や感情を司る部位)の過剰活動と、それを抑制する前頭前野の機能低下を明らかにしています。
つまり、当事者は健常者が感じる何倍もの恐怖と苦痛を日常的に浴びており、感情のブレーキが物理的に利きにくい状態にあるのです。また、幼少期の不適切な養育環境(マルトリートメント)や愛着形成の失敗、トラウマ体験が発症リスクを大きく高めることも分かっています。
「性格の問題」として感情論でぶつかるのではなく、「脳の感情調節機能の失調」という医学的理解を持つことが、周囲にとっても感情的な巻き込まれを防ぐ客観的な盾となります。