京都が宿す霊的な求心力は、一朝一夕に作られたものではない。平安の昔、怨霊や天変地異に怯える貴族たちの羅針盤となったのは、陰陽寮の官人たちだった。その筆頭格である安倍晴明の足跡は、今も一条戻橋の傍らに鎮座する晴明神社をはじめ、街の至るところに色濃く刻まれている。五芒星が刻まれた鳥居の前に立つと、凛とした気配が肌を刺す。ここには今も、目に見えない理(ことわり)への畏怖と信頼が息づいているのだ。
近年、映画『陰陽師0』などのヒットによって呪術や天体観測、占術の歴史的文脈が再評価されたことも、この街の鑑定熱に拍車をかけている。単なるオカルトではない。天文学や統計学、心理観察の極致としての知恵が、京都という土地の記憶に染み付いている。全国各地で腕を磨いた鑑定士たちが「最後は京都に拠点を構えたい」と口を揃えるのは、この街自体が持つ圧倒的な説得力と無縁ではないだろう。