なぜ、実の父親が子どもを伴って突然海外へと渡航する事態に至ったのか。男児の家族周辺への取材に応じた知人らによると、夫婦間では長年にわたり子どもの養育権や将来の生活環境を巡る深刻な対立が続いていたという。離婚手続きが進行する中で、父親側が強い危機感を募らせていた様子も浮き彫りになった。
一方の保護者・父親を知る人物は、「子どもに対する執着とも言える強い愛情を持っていたが、法的な親権決定に不満を募らせていた」と語る。文化や言語、法制度の違いが壁となり、相談相手を欠いたまま心理的に孤立を深めていった可能性が指摘されている。このような個人的背景が、強硬な出国手段を選択させた要因の一つとみられる。