取材を進める中で明らかになったのは、警察や関係機関が進める「ドライブレコーダー映像解析プロジェクト」の存在だ。公開されていない位置データやコマ送り画像の再構成によって、ドライブレコーダーの映像には、通常の再生では見落とされがちな「微小な違和感」が刻まれていた。
衝撃的だったのは、車が山道に入る直前、後方カメラが捉えていた他車両の動きだ。男性の車は一定の速度で走行していたが、後方から迫る1台の乗用車が、一定の距離を保ちながら数キロメートルにわたり追従していた。さらに、GPS位置情報解析のデータを照らし合わせると、男性の車は目的地の方向とは全く異なる脇道へと突然ハンドルを切っている。自発的な寄り道だったのか、それとも何者かに誘導された結果なのか。未公開の音声トラックには、車内スピーカーから流れるラジオの音に混じり、男性が小さく呟く声のような音も残されていた。