ネット上で流布している大原三千院の情報には、いくつか代表的な誤解や盲点が存在します。第一に、「わらべ地蔵は境内全体に無数に散らばっている」という誤認です。実際には、わらべ地蔵が集中的に配置されているのは有清園の一角であり、探さなければ見落としてしまうほど控えめに佇んでいます。全体が地蔵で埋め尽くされているわけではありません。
第二に、「雨の日は参拝を避けるべきか」という疑問です。一般の観光地では雨天は敬遠されますが、大原三千院においては全く逆の評価が下されます。苔は乾燥を嫌い、水分を含むことで最も鮮やかな緑色の輝きを放ちます。しとしとと降る小雨の中、濡れた杉皮の黒褐色と苔の瑞々しい翠色が際立つ光景こそが、三千院の真骨頂といえます。「雨の日こそが三千院のベストコンディションである」という事実は、旅の計画において知っておくべき最大の裏技です。