警察官が運転する自転車であっても、基本的には一般車両と同じく道路交通法の厳格な適用を受ける。緊急走行が認められているパトカーや白バイとは異なり、いわゆる「ママチャリ」や警ら用自転車には、サイレンや赤色灯を用いた優先通行権などの法定特例は原則として存在しない。
だが、実際の過失割合の算定においては、現場の警察官が「不審者の追跡中だった」「急行を要する通報対応中だった」と主張することで、過失相殺の力学が微妙に変化するケースが後を絶たない。職務の公共性が盾となり、通常の民事基準では考えられないような過失割合が被害者側に突きつけられることすらある。目撃者がいない路地裏での事故ほど、警察側の証言が圧倒的優位に働き、一般市民が泣き寝入りを強いられる構図が透けて見える。